理化学研究所との共同研究
特許共同出願
株式会社パル・コーポレーションは国立研究開発法人理化学研究所と水素発生剤とその装置に関する共同研究の成果として、平成30年8月24日に共同特許(特許第6388268号)を取得させました。
特許共同出願の「高反応型水素発生材」

特許共同出願の「高反応型水素発生材」
データ一般的な使用時間である60分間での性能差で比較すると、従来の弊社水素発生材ではグラム当り約515ml(60分間)の水素ガス発生量に対し、「高反応型水素発生材」ではグラム当り約566ml(60分間)と、従来品の約10%もの発生量の増加が可能となりました。
また他の類似品と比べると約38%もの発生量の差を出すことが可能となりました。
研究成果

水素発生の主原料であるアルミニウム2モル(約54g※モルは分子量の単位)が化学反応で発生できる水素ガスは3モル(24800×3=74400cm3 ※SATP温度、1気圧にて計算)と決まっています。ただし、反応過程でアルミニウムの表面に酸化皮膜(不動態膜)が形成されると、それ以上水素を発生させることが出来なくなり実質の反応率は常温下では数%程度です。
この数%の反応率は、塩酸などの強酸や水酸化ナトリウムなどの強塩基と反応させたり、アルミニウムの微粒粉末を使用することにより反応率は極端に高くなりますが、製造時の粉塵爆発の危険性や人体へ向けての製品の場合は安全面で不適格となります。既に従来の弊社水素発生材は、常温でも60%以上の反応率となるものを完成させていましたが、更なるお客様の「安心」を求めて理化学研究所との共同研究と言う形で水素発生材の詳細機構を解析した結果、より確実に反応可能な「高反応型水素発生材」を完成させました。

「HR-RKN15(高反応型水素発生材)」のスゴイところデータハイドリッチ Special-editionに使用されているハイドリッチ専用水素発生材「HR-RKN15」は、従来品とほぼ同内容量ながら水素発生総量が15000cm3(気体の体積)以上の性能を誇ります。この量は、許容水素溶存濃度が1.55ppm(25℃1気圧の環境下)の水素水が約19.2cm3/ℓの水素ガスを含んでいることから、781ℓ(液体の容積)の水素水に含まれている水素ガス量に匹敵します。
理化学研究所のコメント
理化学研究所のコメント
国立研究開発法人 理化学研究所の中村特別研究室は、量子化学・計算科学を主軸とし、民間企業が直面する物理化学的な興味深い課題の共同研究を行っています。今回、水素発生源の物質と水、そして水蒸気に着目し、水素発生効率を向上させる詳細機構を解析しました。この度、課題提案と材料提供を頂いた民間企業と共同でその研究成果を特許成立させ、その研究成果を応用して民間企業が商品を開発するに至りました。
現在、水素には様々な応用分野が提案されており、水素発生量や速度を精密に制御することは、産業実装の際にその価値を大いに高めることに繋がります。その基礎的研究に私共の研究室が貢献出来たのは、公的研究機関の役割として価値あることであったと考えています。
今後とも、私共の研究室の有する数理解析技術、データ処理技術を活用して、様々な用途に繋がる基礎的研究課題にチャレンジし、その解決に邁進していきたいと考えております。
国立研究開発法人理化学研究所 中村特別研究室代表
中村 振一郎